2018年4月29日日曜日

アリストテレス「形而上学」 66

岩波文庫のアリストテレス「形而上学」の下巻を読んでいる。100ページ程度まで、読み進めた。

第十一巻第二章では、アリストテレスは、個々の事物と実体について述べる。

「或る人々は、第一の原理を一であると言い、これを実体であるとし、そしてこの一と質料とから数をまず第一に生成させ、そしてこの数を実体であると主張しているが、どうしてこの人々の所説が真でありえようか?」

「しかしまた、ひとは、線やこれに続くもの(というのは、第一の面のことだが)をも原理であるとするでもあろうが、これらは、すくなくとも離れて存する実体ではなくて、前者は面の、後者は物体の(そして、点は線の)、切断であり区切りであり、さらにまたそれらはそれぞれの限界である、だが、要するに、これらはすべて他のもののうちに存属しているものどもで、いずれも離れて存するものではない。さらに、どうして一とか点とかいう実体があると想定すべきであろうか? なぜなら、およそいかなる実体にも生成過程があるが、点にはそれがないからである、けだし、点は或る分割にほかならないから」

第十一巻第三章では、アリストテレスは、存在について述べる。

「ところで、事物は多くの意味であると言われるが、それらはすべて或る一つの共通のものに即してそう言われ、反対のものどもも同様の仕方でそう言われ(というのは、これらは存在の第一の反対性または差別性に還元されるからであるが)、そしてこのような事物は一つの学のもとにありうるからして、最初にあげられた難問はこれで解決されたものとみてよかろう、——その難問というのは、多くの類を異にする諸存在についてどうして或るただ一つの学がありうるか、というのだが。——」